遺伝毒性試験

化学物質や医療機器の遺伝子突然変異誘発性の有無について調べます。変異原性を調べる方法として、下記のようなin vitroおよびin vivo試験系があります。

細菌を用いる遺伝毒性試験(in vitro試験系)

細菌を用いる復帰突然変異試験(Ames試験)

検定菌
サルモネラ菌株および大腸菌株
目的
被験物質の遺伝子突然変異誘発性の有無について調べます。
概要
汎用されている遺伝毒性試験の1つで、各種ガイドラインに記載され、実施が義務付けられています。各検定菌が形成する復帰変異コロニーの数を調べます。

細菌を用いるumu試験

検定菌
サルモネラ菌株
目的
被験物質のDNA損傷性の有無について調べます。
概要
被験物質がアミノ酸を含み、Ames試験で判定が困難な場合に実施される試験の1つで、 市販のキットを用いて試験を実施します。処理液を吸光度計で測定し、色の変化の有無を調べます。

培養細胞を用いる遺伝毒性試験(In vitro試験系)

培養細胞を用いる染色体異常試験

使用細胞
チャイニーズ・ハムスター細胞株、ヒト末梢リンパ球など
目的
被験物質の染色体構造異常、数的異常誘発性の有無について調べます。
概要
汎用されている遺伝毒性試験の1つです。各種ガイドラインに記載され、実施が義務付けられています。細胞分裂中期像を観察することにより、 被験物質の染色体構造異常誘発性と数的異常誘発性を調べます。

形質転換試験

使用細胞
Bhas 42細胞
目的
細胞の形質転換を指標に被験物質の発がん性を調べます
概要
発がん物質の中には遺伝毒性を示す発がん物質(genotoxic carcinogens)以外に、遺伝毒性を示さない非遺伝毒性発がん物質(non-genotoxic carcinogens)があります。 Bhas 42細胞形質転換試験ではそのような物質を、イニシエータもしくはプロモータとして分別して検出することが可能です。秦野研究所で開発されたBhas 42細胞は、BALB/c 3T3細胞にv-Ha-ras遺伝子を導入して作出された細胞で、 感度良く、短期間でアッセイすることが可能となりました。国内外の多くの皆さんのご協力によりバリデーション・スタディを実施し、現在、OECDガイダンスの登録作業を行っています。

動物を用いる遺伝毒性試験(in vivo試験系)

げっ歯類を用いる小核試験

動物種
マウスあるいはラット
目的
被験物質の生体内における染色体異常誘発性の有無について調べます。
概要
汎用されている遺伝毒性試験の1つです。各種ガイドラインに記載され、実施が義務付けられています。骨髄、末梢血、皮膚(表皮)、 舌(表皮)、肝臓などの細胞を用いて実施され、小核を有する細胞の出現率を調べます。

トランスジェニックマウスを用いる遺伝毒性試験

動物種
トランスジェニックマウス
目的
被験物質の生体内における遺伝子突然変異誘発性の有無について調べます。
概要
In vitroあるいはin vivo試験系の遺伝毒性試験において陽性結果が得られた場合、生体内における遺伝毒性を確認するために実施されます。 ゲノムDNAが抽出できる臓器を用いて実施され、宿主菌が形成するコロニーの表現形あるいはプラーク形成の有無を調べます。

多臓器不定期DNA合成試験

動物種
ウサギ、ラットあるいはマウス
目的
被験物質の生体内におけるDNA損傷性の有無について調べます。
概要
生体内における遺伝毒性を確認するために実施されます。組織切片が作製可能な臓器であれば、 試験の実施が可能。標的臓器について包埋切片のオートラジオグラフ標本を作製したのち、光学顕微鏡により観察します。 各細胞の核内に取り込まれるラジオアイソトープ(トリチウム)の量を調べます。