
発熱性物質試験とは
ウサギを用いた発熱性物質試験では、エンドトキシンを含むすべての発熱性物質の確認が可能とされています。
各国の試験感度はほぼ同等と考えられており、試験法は申請先を考慮して選択します。各国の薬局方で細かな違いはありますが、基本的な実施内容は同じです。
試験方法
医療機器の使用条件を考慮した抽出条件で生理食塩液を媒体として抽出液を作製し、試験液とします。
ウサギを保定器に保定して直腸温を測定し、投与前のウサギの体温測定を基に対照体温を決定します。試験液をウサギの耳介静脈から投与し、対照体温と投与後の体温推移から各試験法で定められた判定基準によって発熱性物質の有無を判定します。
JP | USP | EP | |
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薬生機審発0106第1号 | 推奨 | 許容 | 許容 |
ISO | 推奨 | 推奨 | 推奨 |
FDA | 許容 | 推奨 | 許容 |

体温推移例
(投与前の体温の動態は同じと仮定)
判定方法および基準
JP | USP | EP | |
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対照体温の決め方 | 投与前2ポイントの平均 | 投与前1ポイント | 投与前2ポイントの平均 |
判定基準(1回目)
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3匹の体温上昇の合計 1.3℃以下 陰性 2.5℃以上 陽性 陰性と陽性の間の場合は、2回目の試験を実施 |
0.5℃以上の体温上昇を示す動物が1匹もいない時に陰性と判定 | 3匹の体温上昇の合計 1.15℃以下 陰性 2.65℃を超える 陽性 陰性と陽性の間の場合は、2回目の試験を実施 |
判定基準(2回目)
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6匹の体温上昇の合計 3.0℃以下 陰性 4.2℃以上 陽性 陰性と陽性の間の場合は、3回目の試験を実施 |
8匹で判定 体温上昇が0.5℃以上を示す動物が3匹以内かつ8匹の体温上昇の合計が3.3℃を超えない時に陰性と判定 |
6匹の体温上昇の合計 2.80℃以下 陰性 4.30℃を超える 陽性 陰性と陽性の間の場合は、3回目の試験を実施 |
判定基準(3回目)
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9匹の体温上昇の合計 5.0℃未満 陰性 5.0℃以上 陽性 |
----- | 9匹の体温上昇の合計 4.45℃以下 陰性 5.95℃を超える 陽性 陰性と陽性の間の場合は、4回目の試験を実施 |
判定基準(4回目)
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----- | ----- | 12匹の体温上昇の合計 6.60℃以下 陰性 6.60℃を超える 陽性 |