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皮内反応試験

皮内反応試験

皮内反応試験

皮内反応試験の目的

皮内反応試験は、医療機器や構成材料、または医療用材料(プラスチックやエラストマーなど)から溶出した成分が、生体組織に対して刺激性を引き起こさないかを評価するための試験です。

本試験は、臨床使用時に生体内組織や循環血液への接触が想定される医療機器や医療用材料などにおいて、その安全性を科学的に確認することを目的としています。

皮内反応試験の特徴として、製品を直接接触させるのではなく、抽出操作を実施した「溶出物を含む抽出液」を試験液として用いる点にあります。

この試験液を皮膚の内部(真皮)へ投与することにより、皮膚のバリア機能を介さず、抽出液が生体組織に直接接触した際の反応を調査します。

投与部位に生じる紅斑(発赤)や浮腫(腫れ)などの炎症反応の程度を観察し、刺激性の有無を評価します。

皮内反応試験の概要

本試験はISO 10993-23、または医療用プラスチックやエラストマーなどについてはUSP<88>に準拠して実施されます。

試験の一般的な手順は以下の通りです。

1.試験動物の選定
健康かつ背部皮膚の状態が試験に適したウサギを使用します。
2.皮膚処理
背部の被毛を剃毛し、試験に適した状態に整えます。
3.皮内投与
  • 試験液を皮膚の真皮層に5箇所投与(0.2mL/箇所)
  • 対照液(生理食塩水など)も同様に投与します。
4.観察とスコアリング
  • 投与直後、投与後24時間、48時間、72時間に投与部位の反応を観察します。
  • ガイドラインの基準に従い、発赤および浮腫の程度をスコアリングします。
5.判定
  • 投与後24時間、48時間、72時間の観察結果から最終評価点を算出します。
  • 最終評価点が1.0以下であれば「適合」と判定し、これを超える場合は刺激性があると評価されます。

皮内反応試験の対象となる品目

生体内で直接的、または間接的に組織や血液と接触する以下の品目に対して、皮内反応試験の実施が求められることがあります。

  1. 直接接触する医療機器

    電極固定テープ、圧迫包帯、歯科補填物、ドレッシング材、皮膚ステーブル、結紮クリップ、縫合糸、医療用接着剤、コンタクトレンズなど

  2. 間接的接触(循環血液)する医療機器

    輸液・血液投与セット、透析用チューブ、薬剤送達用カテーテルなど

  3. 医療用容器、包装材料の原材料など

    包装材料に使用した原材料の一部が医療機器と接触し、それが生体にも接触する可能性がある場合には生物学的安全性評価を求められることがあります。

関連する安全性試験

刺激性試験には皮内反応試験を始め、複数の試験がありますが、臨床使用における製品の使用形態(接触部位)などを考慮し、適切な試験を選択することが重要です。

適切な試験を実施することで、総合的な生物学的安全性評価の一部として重要な役割を担っています。

  1. 皮膚組織に対する刺激性を評価

  2. 眼組織への刺激性の有無やその程度を評価

  3. 眼に装着して長時間使用するコンタクトレンズの刺激性や適合性を評価

  4. 粘膜への接触時の刺激や炎症の可能性を評価

食品薬品安全センターの皮内反応試験

当センターでは、GLP基準に基づいた皮内反応試験を提供しており、高い再現性と信頼性を備えたデータをご提供いたします。

試験結果に基づく評価だけでなく、規制当局からの照会への対応、製品開発に関する技術的なご相談にも幅広く対応しております。

また、他の刺激性試験や毒性試験との連携により、製品の生物学的安全性を多角的に評価できる体制を整えております。

局所刺激性試験

試験方法(医療機器)

試験液として生理食塩液および植物油の2溶媒による抽出液を使用します。

投与は3匹のウサギに試験液と溶媒のみの対照液とをそれぞれ5か所ずつ行います。

判定方法および基準

投与後24、48および72時間に、皮膚(皮内)反応の評点付けシステムに従い、紅斑・痂皮および浮腫の形成について肉眼的に観察し、得られた観察結果から最終評価点を算出して刺激性の程度を判定します。